城南ファンク・グルーヴ・セッションにRalph Rolleを呼ぶ 当日の準備

第10回 城南ファンク・グルーヴ・セッション、ゲストにRalph Rolle(ラルフ・ロール、現Chic feat. Nile Rodgersのドラマー、Chicの武道館公演があり来日)を迎えて、大井町シブヤ楽器店のライブスペースで開催した。主催者が自分で言うのもアレだが、素晴らしい内容になった。

ホストメンバーは10:30集合、会場スタッフとの挨拶を済ませ、早速ステージ配置の確認からはじめる。

■ステージセッティング
既にシブヤ楽器スタッフがある程度のステージセッティングを済ませてくれている。
Ralph Rolle (dr) がゲストなので、ドラムセットの位置は通常よりも少しだけ前へ出してある。ドラマーが使う譜面台はハイハットの後方に設置済。ドラマー用専用モニター・マイクもある。ドラマー専用扇風機もある。ドラムのスペースに出入り出来るスペースも確保済。
トラのホストキーボード2名体制なので、ステージ下手に2人分のスペースを設置。各自に持ち込みシンセを設置してもらう。

ギターアンプは上手に2台だったのを、上手Roland JC–120と下手Fender Twin Reverbに分けて配置換え。基本、上手のJC-120を使ってもらう作戦。参加者が同じアンプを使う事で、同じ機材でも人によって出音に違いがあるのが分かりやすいのだ。シブヤ楽器のステージで演奏させてもらう時にはいつもするのだが、JC-120の裏側に自分の布製ギターギグバックを置く。ギターアンプのウラからステージ後方に出ていく音を少しでも吸音するのだ。各楽器の音が飽和状態になると演奏中にステージ上の中音が「ぼわーーーーん」となったり、チューニングがずれている様に感じる事がある。これを少しでも防ぐ為。

ギタリストが自由に使えるようにペダルチューナー(Sonic Research ST-200)を接続、貸し出し用のギター2本とリチャード自前のBacchusのテレキャスターの3本をチューニングしておく。
ベーシストの立ち位置はドラムとアイコンタクトしやすい位置なので問題なし。

フロントにボーカル・管楽器用のマイク4本を立ててあったのは良いのだが、歌詞カードを乗せる譜面台のせいで、客席からステージを見た時に、ラルフを見づらい もしくはラルフが見えない。ギタリスト兼ボーカル用の譜面台をステージ上手 脇に移動。メインボーカル用の譜面台は出来るだけ下手に寄せた。これで客席からラルフはバッチリ見える。

■ホストメンバーによるサウンドチェック
セッションなので、演者が変わるし、ドラマーが違うので、本番始まってからその場でPAスタッフが調整していくしかないのだが、全体のバランスをみる為にもサウンドチェック。ドラムがボワンボワンいっている。
ドラムのチューニングは好みだが、リチャードはいつも「残響が無い様に」「余計な音が鳴らないように」いつもドラマーさんにお願いする。

「スナッピーは最小減」
「ものすごくしっかりミュート」
「各タムは他のベースや他のドラムの音が鳴った時の共鳴が最小減になる様に」
「クローズハイハットはガシッと締めておける様に」
「キックの音は大きく締まっている事」
などなど…。
自分のバンドのライブではないので、まぁ、あんまり言わないのだが…、うーん。ホストドラムが多少チューニングする。まぁ、セッションだし…。
11:10頃からPAが各楽器の調整をする。その後、全体で2曲ほど演奏した頃にRalphが1階の受付に到着したとの連絡が入る。

■Ralph Rolleと打ち合わせ
11:35頃、シブヤ楽器1Fの受付にRalph Rolleが到着。手配や通訳などもしてくれる龍田さんも一緒だ。
挨拶して、まずは4Fの控え室に案内する。リチャードはRalphのキャリーバックを持っていく。

シブヤ楽器は古いビルなのだが、控え室は綺麗にしてあるし、ゆっくりくつろげるスペース。控え室に入るなり、Ralphが安心した表情になったのが分かった。良かった。

「以前、リチャードのバンドのリハに顔出してくれたよね、覚えてる?」とかの他愛も無い会話の後、すぐにこのセッションの主旨を説明。
今回Ralphに期待している事を3つ伝えた。
「Less Is More」「Create the groove」「We love the FUNK」
くい気味で速攻で返答、「Yes, sir.」
「Sir」が気になるが、短いKeywordだけだけど伝わった様だから、まぁいいや。
控え室でカツサンド食べながら少しゆっくりするか、5Fのライブフロアに移動して会場やドラムセットを見るか、どうする?と聞くと「移動しよう」との事。
11:45頃、ライブスペースに移動。

■ドラムのチューニング
11:50頃、Ralph Rolleがシブヤ楽器 Live Space428のドラムセットに座る。シブヤ楽器の方々も感無量なのでは?
Chicの現ドラマーがそこに座っている。まさに今、シブヤ楽器のドラムセットを叩こうとしているのだ。
Ralphはまず、シンバルの位置を変え始める。左にあったスタンドを右に持っていったり、「18inchのライドはないか?」とスタッフに聞いたり。シブヤ楽器の若いスタッフが「無い…」と応えると、これはあるか?あれはないか?と会話が始まり、アリもののシンバルを2枚組み合わせてライドの変わりをセットした。若いスタッフは「(なるほど~)」という感心した表情をしている。

ここで、やっとRalphがドラムを叩き始める…。
…というか、スネアを「パンっ」と叩いた瞬間に彼の表情が曇る。…というか表情が恐い。岩石みたいで恐い…。
タムを叩く。「ぼわ~ん」。更に表情が曇る。
Ralph「テープあるか?」
リチャ「OK、すぐに…」
すぐにスタッフから黒い布製のガムテープを借りてきて渡す。
(リチャードはとても焦っている)

Ralph「テッシュ」
若いスタッフ「はいっ」
若いスタッフがPAブースに戻って何やら話し始めたのを見ていたリチャードは、すぐにホストベースに「ティッシューーーーー!」と叫んで彼女のポケットティッシュ(しっとりしたタイプ)一袋を貰ってラルフに渡す。
Ralph「Thank you」
その後、若いスタッフもポケットティッシュを持ってきたので、それも渡す。

もうラルフは見向きもせず、ひたすら全てのドラムヘッドを締めまくっている。
(リチャードはとても焦っている)
(多分、これは時間がかかるぞ)
(たぶんラルフも焦っている、噴出す汗が凄い)

リチャードは、時計見ながら「うわっ12:00開場とかだけど、かなり遅れるな。むむむー。」とかだんだんと頭がパンパンになりつつある。
ずっとラルフのそばに立っていたリチャードは、開場時間を過ぎてる状況もあり、見通しを決める為にその場を離れる。決してその場にい辛かった訳では無い。(緊迫した空気が凄い)
シブヤ楽器の社長と「開場40分押し、開演30分押し」と決めた。

ラルフがスティックで「ポンっ」「ポンっ」と叩きながら一つづつチューニングしていく。締めまくり、ティッシュとガムテでミュートしまくりのチューニングが終了するまでに20分以上 掛かった。バスドラも同様にチューニング。ペダルの具合が気になる様だが、「このペダルではこれは出来ないな…」というポイントを確認していた様だった。

Ralph Rolleがドラムセットを叩き始めた。
涙が出るほどの感動。
この瞬間、一番近くにいたのはドラムセットの脇にいたリチャードだが、この会場にいたホストメンバーやスタッフは全員感動した(ビックリした)はず。物凄いサウンドのドラムの出音だった。この音の変わり様はビックリ。このドラムサウンドは、録画した映像や録音した音源では全ては伝わらない。「シブヤ楽器のライブスペースの空気をファンクドラムサウンドがギュッと締めている」という感じ。
セッションの時を含めて、ドラムセットの隣で演奏する人、この日に会場に居た人にしか体感できない。

リチャ「(思わず、こころの底から)Wow」
Ralph Rolle様「(演奏を止めて)チューニングは大事…」
このドラムセットを叩く参加者ドラマーは貴重な体験だよ。分かってくれるかな?アマチュアが演るライブ会場で、こんなサウンド聴いたことないよ。

■Ralph Rolleと一緒にサウンドチェック
やっと話しかけられる空気になったので、まずはラルフの為に用意しておいた大き目のタオルを渡す。
リチャ「使う?」
Ralph Rolle様「Thank you」
リチャ「1曲サウンドチェックで演奏してみたいけど良い」
Ralph Rolle様「もちろん」
ラルフを呼び込む時の1曲目として選んだ「Sun Goddess / Ramsey Lewis」を演奏。演奏中にPAスタッフがドラムのマイクを微調整してる。
ドラムの音がね、もうね、気持ち良くって昇天しそう。ギターを弾いてるリチャードはハイハット側の斜め前に立っている訳だが、ずーっとここでリズムギターを刻んでいたい。ギタリストの参加者は同じ気持ちになるのだろうか?
曲が終ると全員でエンディングを確認。

その後、モニターに関して注文が始まる。
Ralph「ドラムのモニターのキーボードを少し上げて、もっと、もっと、少し下げて。OK。もう一つのキーボードも…。」「そのキーボード用のモニターの向きを変えて…」
Ralph「(リチャードを見ながら)いつもギタリストの音はデカい。」
リチャ「必ず、そうだね」(Jokeですってば…)
Ralph「笑(なんだ、こいつ音量下げるつもりが無いのか…?!)、(真面目な表情に戻って)ギタリスト用モニターから出ているギターの返しを下げてくれ」

Ralph「もう1曲演奏しよう」
リチャ「Washington Go Goの曲はどう?」
Ralph「よし」
この曲、This Feels Like Love / Ju JuはWashington Go Goのリズムで、是非、Ralphのドラムで聴いてみたかった。唯一、この曲だけ事前にRalphが確認出来なかったので、音源を送った。Ralphはちゃんと聴いて来てくれた様子。
ドラムパターンがちゃんとGo Goになっている。当たり前か…。

普通、「Go Goのパターン叩ける?」って状況でちゃんと叩けた人には出会った事は無い。FunkでもGo Goでも聴いてないと雰囲気が分からないだろうし、ちょっと聴いただけで「跳ねてるパターンね」ってなって、叩くと「全然違~う、それ、出来てないよ」ってなる。今回のセッション全体で感じたのだが、さすが、Ralph RolleはFunkも色々と聴き込んでいて詳しいし、Washington Go Goも良く聴いている。なんでもすぐ出来るんだな。
この時のサウンドチェックの様子を、ホストドラムが撮影してくれていた。
ギターもベースもどのポイントで合わせられるのか探っている感じが伝わってくる。というか、Ralphが合わせてくれている。原曲を何度も聴いているので、Ralphが事前にこの曲を聴いて来た事が、ところどころで分かるのだった。このドラムを隣で聴きながら、音圧を隣で感じながら、「ひゃー、気持ちイイっー!」となったリチャードだった。

このビデオの最後に少しだけ声が入っているが、ラルフがホストボーカルに向かって「モニターはちゃんと聞こえているか?」と確認していた。

Ralph「セッションする曲のチャート(構成表)はあるか?」
リチャ「無い」
Ralph「お前は、キメのタイミングでアクションをもっと分かりやすくしてくれ」
リチャ「分かった」

龍田さんがホストメンバーとラルフの集合写真を撮ってくれる。

ホストドラムが居なかったので、写真に入っていないのが残念。この後、ラルフとホストドラムの2ショットを撮った。

■開場
40分押しで開場。
「ラルフを4F控え室に連れて行って」とホストベースにお願いする。彼女、あんまり英語は得意ではないが大丈夫だろ…。
ラルフを送り出してから、既に開場はしているがホストドラムに「今、叩いていいからドラムセットのチューニング確認しなよ」って。こんな機会なかなかないもんね。
リチャードはRalphを追って控え室に向かう。
Ralphは今回の課題曲をヘッドホンで聴きながら、曲の構成を紙にメモしている。

Ralph「Kickin Back,、今音源持ってる?」
ホストベース「(自分のiPhoneを渡しながら)はい、これ」
Ralph「おっ、CAMEOが入ってるじゃん!(嬉)」
(Kickin Backのイントロのキメのタイミングをメモしている…)
Ralph「あと何分あるんだ?」
リチャ「あと15分くらい…」
Ralph「…」
(超真剣な空気)

ある程度お客様が会場に入っていて、どの曲を演奏したいかがエントリーシートに書き込まれている。
いつ始めても良い状況だ。
控え室のRalphはギリギリまで、曲の構成を紙にメモしている。

リチャ「もう始めるから、5Fに上がって会場の外で待機していてね」
Ralph「…」

<関連ブログはこちら>
城南ファンク・グルーヴ・セッションにRalph Rolleを呼ぶイベント開催にこぎ着けるまで
http://www.mugenblasters.com/2017/09/26/johnanfunkgrooveralphrolle/

<城南ファンク・グルーヴ・セッション Facebook Page>
http://ja-jp.facebook.com/JohnanFunkGrooveSession/

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