Wilko Johnson (ウィルコ・ジョンソン) Live @ 渋谷 Quatro on 9th Oct 2017

Wilko Johnson (ウィルコ・ジョンソン) Live @ 渋谷 Quattro on 9th Oct 2017

イギリス人、ロックバンドでリズムギターを弾きまくる70歳のギターリスト。日本でいうと「シーナ&ロケッツ」とか「The Privates」の様な骨太なロックンロール。黒いボディに真っ赤なピックガードのFender Telecasterをピックを使わず手でかき鳴らすスタイル。その歯切れの良さは半端無い。2012年頃に癌である事を公表。余命半年。その後復活した。
リチャードは、1978年頃に偶然Solid Sendersの輸入盤レコード(2枚組)を手に入れ、それ以来のファン。Dr. Feelgoodは後付けで聴いたし、Solo Albumもほとんど持っているが、僕の中ではWilko Johnsonが最高にカッコいいのはSolid Senders。当然CDも入手していて、未だに必ずiPhoneに入れてよく聴いている。

前回ライブを観たのはいつだったかな?3~4年前?やはり同じく渋谷Quattroだった。ここ、下手側の前方にぶっとい柱があって邪魔なんだよね。ライブ会場としては酷い作り。10/10(火)のチケットを取ってあったのだが、都合が悪くて行けなくなってしまい、それを格安で売って10/9(月祝)のチケットを購入したのだった。結果、170番台のチケットだったのが、整理番号一桁のもの購入できて超ラッキー。

開場を待っていると、リチャードよりは若い人達が多い。20代~40代って所か…。
リアルタイムで聴いていたのってリチャードと同年代の50代が多いはずなんだけど、何故、Wilko Johnsonはこんな幅広い層に人気があるのか?他のジャンルを含めて、素晴らしいギタープレイヤーは沢山いるんだぜ?
シンプルなロックンロールだから?→違うね。日本に住んでいるなら鮎川誠やThe Privatesのライブを観れるよ。彼らの太さは凄いよ。
ファンクよりとっつき易いジャンルのギタリストだから?→同じくTelecasterを手でかき鳴らすTony Maidenなんか凄いぜ!ファンクも盛り上がるぜ!知らないの?
癌から立ち直ったミュージシャンだから?→Angela Winbushのボーカルとか鳥肌だよ?

多分なんだけど、日本のミュージシャンの誰かが「オレのヒーローはWilko Johnsonなんだ!」とか言って、その誰かを好きなミュージシャンのファンから広まったんだろうな。昨日のライブでもオーディアンスに受けている部分が偏っていて「う~ん???」となる。本国でもこんなライブにはなかなかならないのでは?
結果、何度も何度も来日してくれて、クアトロの規模のハコでパフォーマンスしてくれて、ライブも盛り上がるし、Wilko達もご機嫌。Wilko Johnsonを取り巻く日本の環境としてはいいサイクルだ。

今、Wilko Johnsonのこんなに素晴らしいライブパフォーマンスを日本で観れるのは若い世代のファン達のおかげでもあるのだが、一つだけ気になる事がある。
昨晩のライブ、最前列・Wilkoの真正面で観れて、こんなにラッキーな事は無かった。すぐ後ろに20代くらいの背の低い女性とかも居たので、前方の手すりに寄りかかって少し屈んで観ていた。最前列の連中は皆そんな感じ。日本人って優しいし気配り凄いな。Sold out公演だし、自分より後方も盛り上がっているのは分かっていたのだが、最後の曲で後ろの連中が「がーーーーっ」っと前に詰めて来てぎゅうぎゅう詰め、何か湿った服の男性やら女性がグイグイ後ろから押して来るっ!

…。
うーん、全然パワー無いね。

リチャードの経験では、スタンディング最前列でライブが盛り上がって、後ろから押されて「うぐっ、息出来ない、じぬ…」って状況は何度かあった。1980年代のライブ会場なんかでは…。横浜Bay Side ClubでBootsy Collinsを観た時は本当に圧死寸前だった。
昨晩のギュウギュウ来る感じは懐かしかったけど、手とか振り回してこちらの頭や顔に当たりそうでウザいんだけど、Bodyからのエネルギー・パワーが無いというか…。体幹鍛えようね!

Wilko Johnson、開場後、すぐにステージ下手 Wilko Johnsonのマイクスタンドの正面に陣取る。リチャードにとって、これ以上の位置は無い。かなりラッキーだ。ミネラルウォーターもGet出来たが、飲むとトイレに行きたくなりそうなので終わるまで飲まない。一人でスタンディングのライブに参戦するのはつらい。隣のお一人様の長髪サラサラヘアのお兄さんに話しかけるも、反応が薄くて続かない。

ステージ上は相変わらずシンプルで、ギターアンプはJC-120、少しスラント(上向き)してある。Ampegベースアンプ、どこのだか分からないけど黒いドラムセット。タム×1、フロアタム×2。
JC-120には赤いカールコードが1chのHi Inputに刺さってるだけ。アンプからプラグが抜けない様に取っ手に咬ませてある。下手壁際には既に予備のSignature Telecasterが置いてある。

定刻を少し過ぎてからWilko Johnsonがトレードマークの黒いボディ+赤いピックガードのTelecasterを持ってつかつか歩いてきた。すっごい元気。背筋ピンとしてるし、目力半端ない。
直ぐに演奏開始。
いきなり右斜め前に前進→ギターアンプ前に後退→左斜め前に前進→ギターアンプ前に後退、この繰り返し。
たまに、客席を凝視しながら上半身そのままで足首だけで左右に移動。
物凄い運動量だ。
70歳です、この人。さらに数年前まで癌。
何を食べて生きてるの?
髪の毛ないし、目玉がぎょろっとしていてドクロみたいな顔。

ピックを使わないリズムギター、相変わらずキレッキレ!前よりもキレッキレ?左手のミュートが半端ない。
常にリアピックアップを使っていて、たまに少しだけギターボリューム下げる(触る)のだが、すぐにフルテンに戻す。
ギターサウンドは、前のギターに比べると「新しいギターの音っ!」って感じに聴こえるが、相変わらずの耳にキンキン来ないトレブリーなジャキジャキサウンド。
声も良く出ていて、この人、魂を悪魔に売って、若さを手に入れたの?ってくらい元気。
Showの前半数曲は気合の入った表情+かなりのパワーで動き回り、中盤は動きが減り、後半は気合の入った表情+動き回りが復活+3連のジャキジャキリズムギター多用。ギターをライフルの様に抱えて、客席に向かって「撃つぞっ!」の時の表情、気合が入っている。気合の意味は頑張っているとかでは無く、本当の「気」を生み出している。日本には合気道とか宮本武蔵とか「気」の歴史があるけど、ギター弾きながらWilkoの様に「気」を出せる人っていないですね。
ギターを抱えてステージに立った時に「気」を込めてリバースする立ち姿、練習しよう。

ピックを使わないリズムギター奏法、Tony Maidenもそうだったが、彼らであっても右手を負傷する事が多い。Wilkoが赤いピックガードにしているのも「右手から出た血を目立たせない様に」の意味なのだが、今回のステージでは、右手の当たり所が悪くて痛そうにした瞬間が2回あった。Tony Maidenの場合は右腕を回転させる弾き方だが、Wilko Johnsonは右手を上下させる(上から下に落とす、上げる)感じ、2人の弾き方は全然違う。だが、出てくるサウンドは同じ質のモノに思える。そして二人とも左手のミュートが半端ない。歯切れの良さは左手の押し弦とミュートのテクニックだ。

ベースのNorman Watt-Roy(ノーマン・ワット・ロイ)もシルバー?のFender Jazz Bassを抱えて絶好調。グイグイずれるベースが堪らない。ロックンロールのベーシストで、ライブ全編で観ていいて飽きないのはこの人くらい。後半あったベースソロ、ここ数年でリチャードが参戦したライブでのベースソロの中で1番だった。フレーズが歌ってて、グルーブあって、程よい長さでカッコいい!

ドラムはDylan Howe(ディラン・ハウ)、Yesのギタリスト Steve Howeの息子。YesのClapはDylanに向けて作られたというのは本当だろうか…。
沢山ツアーしているだろうに、曲のエンディングが結構な確率でバラッバラなのは、どういう事なの?曲始めとか途中はいい感じなので、ショウとしては盛り上がるけど、もう少しだけバンド感を出して欲しいところ。

来年も来日して動き回りながらパフォーマンスしてくれるだろうか?
まだまだ観たいぞ、Wolko Johnson!

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