アルゼンチンタンゴを習い始めた。

1年前(2016年11月)からアルゼンチンタンゴを習い始めた。
このブログ、初心者のリチャードが書いているので「アルゼンチンタンゴってそういうんじゃないよ!」とかあっても全くリプライ出来ないので、あしからず。

で、アルゼンチンタンゴ、男女が抱き合って踊るペアダンスなのだが、同じペアダンスでも社交ダンス・サルサとはかなり違う。
進む方向・ステップ・テンポ取りなど、全て即興で踊る。男性がリードし、女性がそのリードをフォローして踊る。
楽器演奏で言うと「全編アドリブのセッションね。ドンカマの曲に乗せて、あとは僕のギターに合わせてユニゾンしたりハモったりしながら素敵に歌ってね!身体で感じて。」って感じか…。

習い始めてから分かったのだが、アルゼンチンタンゴは、特に男性が踊れる様になるのがとっても大変。子供の頃から現在に至るまで数十年クラシックバレエを踊っている友人に習い始めた事を話したら「数あるダンスの中からよくまぁアルゼンチンタンゴを選んだわね。バレエもタンゴもある意味古典。難しいのよ。」と言われた。やはり難しいのか…。

なので、リチャードの場合、ミロンガ(アルゼンチンタンゴのダンスパーティ)に行って女性と踊って楽しむとかは(今のところは)ほぼ無い。じゃ、何の為に習い続けているのか?というと、身体の動かし方・使い方について知らなかった事が多過ぎで、ギター弾く時にも応用できる部分もあって、いろいろ吸収していくのが楽しいから。レッスンの場だけど相手と組んで踊っている時に2人がフワッと心地良くなる瞬間が楽しい。更に、今まで接点がなかった色々な人達と知り合える。
そして、もちろん、アルゼンチンタンゴを踊ること自体が楽しい。あー楽し。
最近はずっと「踊り足りないっ」って感じる日々が続いてる。

■何でアルゼンチンタンゴなの?
FunkカバーをNon-Stopでパフォーマンスするバンド、MUGEN Blastersの活動を続けていくにつれ、「Funk演ってるのにダンスが出来ないのはダメでしょ」という思いがずっとあった。2016年にはホットヨガも始めて、ギターを弾く以外で身体を動かす事にも慣れてきたので「以前からずっと考えているSoul / Disco系のダンスを習うの、始めたいなぁ」と思って、習えるところの情報を集めていた。ところが、なかなかしっくり来る所が見つからない。ソウル・ディスコのって「お教室に習いに行く」ってダンスでもないしね。Hip HopやStreet系ダンスには興味がないし、社交ダンスにも興味が無い。サルサ系は知り合いから勧められられる事が多く、踊れると楽しそうなのだが、自分が始めるには何か違う気がしていた。

そんな時、Facebookでたまたま見たダンス映像にハートを打ち抜かれる。それはJimi Hendrixの曲でアルゼンチンタンゴを踊っている映像だった。知っているRockの曲で全く畑が違うアルゼンチンタンゴのダンスをエロカッコよく、いろんなものを絡ませ合いながら踊っているペア。「こういう表現をしたいっ!」と感じて即行動。

■どこで習うか?
アルゼンチンタンゴはペアダンス、(基本的には男女が)抱き合いながら踊る。ダンス自体が未経験だし、ペアを組んで一緒に習い始める相手が居る訳でもないし、タンゴの曲を知っている訳でもないし、全く知識がない所からのスタート。仕事場と家の間くらいで通いやすそうな所をネットで検索。いろいろなダンスを教えているスタジオは除外して、アルゼンチンタンゴを専門に教えている所に習いに行きたいと決めていた。

「ココだっ!」というスタジオを選んで、とりあえず体験レッスンを申し込む。

2日くらい経っても返信が無い。

何事もタイミングは大切だし、勇気を持って新しい事を始めようとしている時に、勢いが削がれるのもつらい。「アルゼンチンタンゴの世界はこんな感じのスピード感なのかな?」とか考えながら、別のスタジオに体験レッスンの申し込みメールを入れた。

なんと、3分も経たずに返信が来た!
タイミングも良かったのだとは思うが、返信内容も適切。
このスピード感が好きだぞ!
このスタジオで体験レッスンを受ける事に決めた。
(ちなみに、最初に体験レッスンを申し込んだスタジオからは、10日後くらいに返信があったが、丁重にお断りした。)

■アルゼンチンタンゴダンスのイメージ
男性と女性が熱く抱擁しながら、くるくる回りながら、脚を絡ませあいながら、顔と顔がくっ付きそうな距離で、独特な歩き方をしながら、バンドネオン(アコーディオンみたいなヤツ)で演奏されるアルゼンチンタンゴの曲で踊る。ショーとして魅せる振付があるアルゼンチンタンゴダンスもあるが、リチャードのイメージは「サロン、バーやアルゼンチンの街中で少しだけおしゃれした普通の男女が踊っているペアダンス」というイメージ。
情熱的とか艶かしいとか激しい技を繰り出すとかはショータンゴからのイメージが多いと思う。一方、サロンタンゴではペアの密着度が高く、大技は最小限にねっとりと二人の世界で踊る感じ。ショーと違ってサロンは他のペアが沢山踊っているので、大技を繰り出すどころか前進も出来ないほどフロアが込んでいる事も多い。それもあって、二人の距離がZeroなくらい近くなる気がする。ここまで深く組んで踊るダンスは他にはキゾンバくらい?

■習い始める前に準備した事
ホットヨガで身体の柔軟度を上げる。これはアルゼンチンタンゴを習う為にやっている訳では無かったが、ダンスを習う上でヨガをやっていて本当に良かったと思う。ヨガもアルゼンチンタンゴのクラスで習う身体の使い方も、繋がっているし、ヨガとタンゴのクラスを受けているから、より両方の理解が深まる。

事前に準備した事は一つだけ。
タバコ吸うのをVapingに代えた。
タバコ好きなので、今でも一緒にいる人に貰って吸う事もあるが、普段吸うのはVape(リキッドを電熱で水蒸気化して吸うヤツ)に代えた。
タバコ吸うと上半身がタバコ臭くなる。自分でも臭いと思うくらい。特に近年の喫煙環境では狭い部屋(ビルの喫煙室)で吸う事が多く、喫煙者自身が不快になるほど煙い。あれは嫌がらせだね。それでもタバコが好きなので止めるつもりは無いのだが、さすがにアルゼンチンタンゴの様に女性にべったりくっついて踊る場合、身体じゅうタバコくさいのは相手に失礼。
Vapeで使うリキッドはタバコでは無いのでタールも含まれず、吸ってもタバコの様に匂いが付かない。煙ではなく水蒸気がぶぉーって出るので、やはり喫煙室に行って吸うのだが、その時に他の喫煙者のタバコの匂いがついてしまうのは仕方が無い。
Vapeに代えてタバコを吸っている時の様な強烈なタバコ臭は自分に付かない様にはなった。

■体験レッスン
恵比寿にあるアルゼンチンタンゴを専門に教えているスタジオ「Studio-J」。Joe先生が教えている。恵比寿駅から徒歩3~4分のスタジオ前に着く。あれ?スタジオの隣の焼き鳥屋さんは食べに来た事あるぞ。
始めてのダンスレッスンだし、音楽としてもアルゼンチンタンゴなんて分からないし、何をどうすれば良いかさっぱりだし。ドキドキで地下への階段を下りる。

そこからはどんな感じになったのか記憶が曖昧なのだが、JoeさんがファンクやSoulも好きで詳しかったりするので、レッスン前にJames BrownやBootsy Collinsについて雑談。気持ちが楽になった。

この日は男性2名+女性4名が参加。オープンクラスのレッスン始まる時に簡単な自己紹介があった。
リチャ「ファンクバンドでギターを弾いているリチャードです!」
Joe「じゃ、リカルドね!」
リチャ「?」
Joe「アルゼンチンタンゴではスペイン語が沢山出てくるんだよ。リチャードはスペイン語ではリカルドだから。」
リカルド「…」
という訳で、アルゼンチンタンゴ関係の時には「リカルド」と呼ばれている。笑

1時間強の初級クラスレッスンに参加させてもらって、ダンスの時の姿勢、重心、タンゴの歩き方、男女での組み方、組んで歩く…。もうさ、何ひとつ出来ないっす。教えてくれる事は「いや、それは無理でしょ?みんなも実はそんな事してないでしょ?」って思っちゃうくらい出来ない。レッスンが始まって10分した頃には汗ダラダラ。

レッスン始まって30分くらい経った頃、女性との組み方を教わってる時から左腕全体が痺れ始めた。
「やばい、慣れない動きをしているからだろうな。」
1時間強の体験レッスンを終えて、お礼を言って、恵比寿駅前で休憩。
腕の痺れが強烈で左手に力が入らない。早く帰ってお風呂に入って寝よう。

■左腕の痺れ
ホットヨガを始めて半年くらい経っていたし、身体を動かす事に慣れてきていたから、痺れも取れるだろ…という何の根拠も無いまま翌朝起きると、痺れが全然治ってない。左手の握力Zeroみたいな感じ。ギター弾けないっていうレベルではなく、ギター持てない!。左手でクレジットカードも掴めない。
僕にとってはギター弾くのが何よりも最重要なので、整形外科行ったり、行きつけの接骨院行ったり。あの頃は本当に焦っていた。もうギター弾けないのかも…とかが頭をよぎった。たまたまライブ演奏する予定が2ヶ月くらい無くリハーサルの予定のみだったので、兎に角、早く回復出来るように整形外科と接骨院に行きまくる。
結果、整形外科は骨にヒビが入った時などお世話になったが、今回の件では効く治療にはならず、2週間くらい経った頃には接骨院に絞った。行きつけの接骨院に行っても直ぐに回復って感じにはならず、「徐々に治っていく様に期待しながら施術しましょう」って感じだった。それを聞いて「この痺れと付き合いながら、ギター弾ける様にしていくしかないな」「まずはギター持てる位まで握力を戻そう」って感じに考えを変えた。スナック菓子の袋を破れないくらい握力が無いのが1ヶ月は続いた。握力Zeroからのリハビリなので、指の力を鍛える器具(一番弱いヤツ)を買って、通勤時間も仕事中も「ぎゅっ、ぎゅっ」とリハビリ継続。
握力が半分くらい戻ってからは、リズムギターの練習に絞ってリハビリ。何しろ押弦が出来ない。
左手の握力も左腕の筋力も1年経った今でも完全には戻っていない気がする。ちょっとづつ筋力をつけながら、柔軟度も上げないとな…。

■それでも通い続けるタンゴレッスン
ギター弾けないくらいのダメージを負っているのに、体験レッスンから2週間後にはまた初級クラスを受けに入った。Studio-Jでタンゴ習う事に対して「自分の為に続けるべきだ!」という閃きがあったから。「身体の使い方をもっと習いたい」という点がモチベーション。バンドでファンクをパフォーマンスするのにも役立つと思った。本当は翌週には参加したかったのだが、時間がある時には接骨院に通い詰めていたので2週間後のリベンジだった。
「流れている音楽でダンスする」というのは「自分の身体をイメージ通りに動かして表現する」と考えるならば、バンドでパフォーマンスするのと同じ部分もある。身体の使い方でいうと、動かないで立ってだけでもカッコいい場合と、立ち姿がかっこ悪い時があって、この差が何なのかが分かってきたりもする。分かれば、立ち振る舞いをカッコよくしていく事ができる。練習すれば…だが。
そして、Joeさんの教え方や人柄にも惹かれるものがあった。筋が通っていて信頼できる人だから好きだな。
汗っかきのリカルド、今でもレッスン開始したら直ぐに汗ダラダラ。女性も殆どの人が汗かく。インナーマッスル使いながら身体を動かしているんだから汗かくのは普通。その状態でアプラッソするって、慣れない女性は気持ち面で大変かもしれない。

■習うのはタンゴのステップだけではない
立つ時の姿勢・歩き方・自分の重心をコントロール、この辺りは誰もが普段している事ではあるが「その方法が違う」となると直すのは大変。アルゼンチンタンゴのカミナンド(歩く)が難しい。1年経ってもカミナンドに関する課題が残ってる。一人でカミナンドできないのだから相手と組んでカミナンドなどスムースに出来るはずが無い。これらの基本動作が出来るようになる為に、身体に軸を作って踊れる状態にする。

Studio-Jではアルゼンチンタンゴのステップも習うが、それ以上に「丹田を意識した軸の作り方」を練習する。アルゼンチンタンゴを習いに来て、「五輪の書/宮本武蔵」やら「リバース」やら「仙骨」やら「大臀筋(だいでんきん)」やら「手足の脱力」やら、習う範囲がどんどん拡がっていく。これによりホットヨガのインストラクターが言っていた事が初めて理解できたというポイントも沢山出てきた。
「お互いの胸をつけて踊る」という教わり方もあって、実際にやってみると、普通の人はドキドキだよね?リカルドは普通では無いみたいで真面目にアプラッソしている。
「一緒にイク、女性を先にイかせる。」も大切なんだけど、言葉で書くとエッチに聞こえる。超真面目に得意のしかめっ面で練習してます。

レッスン中には「Moon Walk / Michael Jacksonのデモ」とか「James Brownステップ」も盛り込んで説明してくれる。Joeさんがヒップホップダンサーだった事もあり、幅広いサンプルを実際に身体の動きで示してくれながら教えてくれるので理解しやすい。
「相手へのエネルギーの伝え方」も解説がある。目に見えない事だし「気」と「身体から出るエネルギー」とか言われても「???」。でも、Joeさんと組んでそれをしてもらうと「感じる」ことが出来る。うーむ、なんだこれ?って感じ。自分でやるのは難しいが、イメージは大切。

■ミロンガ
ミロンガ(アルゼンチンタンゴのダンスパーティ)では、知り合いでも初めて会う相手でも男性から女性を誘って踊る。ダンスのステップは全部アドリブ。アルゼンチンタンゴとしての基本ステップや技はあるが、踊りだしたら男性がリードとして女性に気持ちよく踊ってもらう。「特定のペアでもないのに、アドリブでステップを揃えて踊るなんて不可能でしょ!」と思ったが、男性リードがしっかりしていて女性のフォローするスキルがある場合、2人のステップは合うし気持ちよく踊れる。レッスン中に一瞬でもこの気持ちよい感覚を味わうと、益々アルゼンチンタンゴの魅力にはまって行く。

習い始めて4ヶ月目くらいに初ミロンガに参加してみた。会場はStudio-Jでいつもレッスンしている場所なので慣れてはいるものの、みんなが踊っているのを見て萎縮する。
「あんな風には踊れないなぁ。」

それでも、初めてあった女性に「超初心者ですけど一緒に踊ってもらえませんか?」と声を掛けた。女性は断る事もできるのだが、踊ってくれた。
1歩目のステップで100%女性の足を踏んでしまう事案が発生。
男性が左足で踏み出す時は女性は右足で後退すれば1歩目が成立。初ミロンガの初ダンスの時は、リカルドが左足を踏み出すと相手の女性が左足で後退。女性の右足がそのまま残っているので、リカルドが女性の右足を踏んでしまう訳だ。
リカルドが重心移動を相手に伝えられてないのね。

初めての彼女「次は2拍子の曲よー!」
リカルド「えっ、何それ?」
初めての彼女「大丈夫、流れに乗って歩いていればいいの。」
リカルド「(2拍子…!?)」
相手の足を踏んじゃうし、2拍子のリズムには乗れないし。
それでも彼女は笑顔で3曲踊ってくれた。

踊り終わって帰りたい気持ちになっている所にJoeさん登場。
Joe「Miki先生、彼はリカルド。始めたばっかりで今日は初ミロンガなの。踊ってあげて!」
Miki「リカルドさん?行きましょう。」
(Mikiさん、ミロンガの前にレッスンしていた超大人っぽい先生だ。)
リカルド「お願いします。」
アプラッソする。
組んだ瞬間、レッスン中も含めて今まで組んだ女性と圧倒的に違う事が分かる。
1歩目、Miki先生の右足を踏む事案が発生…。汗
Miki「重心移動を相手に伝えないとダメよ。私が伝えてみるから、左右どちらに重心があるか感じて。」
リカルド「(正直にいうと分かるような分からないような…)」
大汗かきながらのプチレッスン的な1曲目が終わった。「戻りましょう」と言われるかと思いきや、次の曲も踊ってくれた。

1曲目とは明らかに違う深いアプラッソ。この時のMiki先生の手の回し方の(抱き付かれた)感覚が凄かった。
的確な表現が分からないが、ダンスじゃなくてもこんな官能的な?絡みつくような?抱き付かれ方は初めての経験。
1歩目、Miki先生の右足を踏む事案が再度発生…。大汗
今になって考えると色々なアプラッソを試してみてくれたんだなと思うものの、それを受け止めるスキルも余裕も無かった。
そんな状態でも、Miki先生も3曲踊ってくれた。

次にレッスンの時にお見かけした事があるお姉さまに踊って頂いた。
1歩目、彼女の右足を踏む事案が再々度発生…。泣
この時はもうディスコのチークタイム的な感じになってしまい、タンゴのステップを踏む感じでは無くなっていた。
フロアを円になって逆時計回りで踊るのだが、前後のカップルの男性に「邪魔だな、ちっ!」という顔をされながら、1タンダを踊りきる。
(タンダ…ミロンガでは3~4曲で1Set(1タンダ)の構成になっていて、原則、1タンダを同じ相手と踊る)

初参加のミロンガは3人の女性に踊って頂き、気持ち的には一杯一杯。
「ちくしょー、上手く踊れないなー。よーし、次回ミロンガに参加するまでにスキルアップ頑張るぞー!」
という気持ちには全くならず、
「これは先が長いな。ミロンガには来なくてもいいや。」
と、完全にネガティブモードに突入したのでした。

実際、最初のミロンガ参加から8ヶ月はミロンガに行ってない。笑
習い始めて数ヶ月の男性でもミロンガにガンガン参加して踊っている男性も沢山いるので、要は気持ちの持ちようだ。

■いつの間にか群舞チームに参加
いつも行っている初級クラスに参加していた時、次の時間帯の群舞クラスに誰も来ない日があった。
Joe「リカルド、次の群舞クラスも受けていかない?今日の群舞クラスは発表会直後なので誰も来ないみたいだしさ。」
リカルド「じゃ、受けてきまーす。」
初級クラスと違って、習うステップが派手だったり、連続技が出てきたり。そもそも振付習うのも幼稚園のお遊戯以来なんじゃないかな?
まぁとにかく振付が頭に入らないし、そもそもそんなステップ出来ないし。

その日から、いつの間にか群舞クラスのメンバーとしてカウントされていた。
男性メンバーが少ないからやる事は沢山あるし、初級・中級クラスでは習わないポーズや振付ばかりだし、ミロンガに行かないリカルドにとってはアルゼンチンタンゴ上達に繋がるので、自ら楽しんで参加している。群舞クラスのインストラクションはJoeさん以外にMaikoさんもいる。Maikoさんは2年連続アジア大会のチャンピョンになった方で、こんな人とアプラッソしたり、直接教えてもらえるのは幸せな境遇だ。
そういえば、初ミロンガで踊ってくれたMikiさんは2017年のアジアチャンピョンだ。

群舞クラスを始めた際、3ヵ月先には発表会での披露が決まっている状況だった。群舞の時にペアになってくれる相手に恥を掻かせるわけには行かないし、振付はなかなか身体に入ってこないし、盛り込まれているステップは基礎がしっかりしていないと出来ず、基礎から見直したりしたし…。最初の発表会まで、兎に角、大変だった。

アルゼンチンタンゴを習い始めて丁度1年で発表会で群舞チーム(3ペア)の一員としてダンスを披露。
最初だし、ギリギリOKとして欲しいっ!って感じの出来だったかな。

本番のビデオをみて初めて気がついた事もあるし、細かい修正ポイントは沢山ある。
魅せるダンスの場合、いかにカッコよく見せるか!が勝負だと思うのだが、一番は「いかに一緒に踊っている女性を美しくカッコよく見せるか!」が男性の役割。その為の男性リードだったり、手を置く位置だったり、ヘアスタイルだったり…。

■オールバック
デモや見せるタンゴを踊る時、男性のヘアスタイルはオールバックでガチっと決めているイメージがある。
最初の発表会の時、何十年かぶりにポマード(最近はジェルが主流の模様)っぽいものを買って真似てみた。汗っかきなので、汗拭く時にジェルなどで頭がべたべたしているのが嫌で,、ここ10年くらいは何もつけずに過ごす事が多かった。
で、発表会用にハードなジェル・グリースを買って髪につけて発表会に臨んだ。結果、髪がぼわっと広がってしまいかっこ悪い。
在り難い事なのだが、髪の量が多くて固めなので、ハードジェルぐらいでは全然ペッタリした感じにはならないリカルドの髪。

次の群舞パフォーマンス披露の前にいつものヘアサロンで相談。
リカルド「アルゼンチンタンゴでオールバックっぽくしたいの!」
店長「このままではムリっす。バリカンでガッツリいっていいっすか?」
リカルド「いいっす」
久しぶりにサイドとバックを刈り上げた。寒い…。

サイドとバックがすっきりしたので、ぼわっとした感じにはならず、更に1段階ハードなグリースにして2回目の群舞パフォーマンス披露に臨んだ。すっきりした髪型はタンゴ仲間から好評。但し、この髪型でエクストラハードなグリースを使っても、リカルドの髪はオールバックにはならない。

仕事場では、隣のデスクに座っている女性マネージャーが、リカルドの顔を見るなり大爆笑…。
部下の女性マネージャー「(大爆笑継続中)」
リカルド「おいっ!」
部下の女性マネージャー「つ、ついに、真面目に仕事する気になったんですね!」
リカルド「あ、はい…」

■Masquerade初体験
最初の群舞披露から1ヶ月もたたない内に2回目の出演が決まった。いつもとは違うイイ感じのクラブを貸しきってのJoeさん主催マスカレード・ミロンガに群舞チームを出演させるとの事。振付は同じだが今回は少しメンバーが入れ替わって4ペア。2回目のほうが出来は良かったけど、まだまだ修正ポイントは尽きない。

…っていうか、仮面舞踏会じゃないか!ミロンガじゃないか!
場所はローレルというおしゃれなクラブでした。我々の年代にはおなじみ、渋谷のPAプラザというラブホテルの地下。今でもPAプラザの最上階の部屋にはガラス張りのプールがあるのだろうか?行ったことないけど。そして、バンド仲間にとってはおなじみライブハウス 渋谷Guiltyの隣のビル。

群舞での出演が無かったら参加していないであろうMasquerade。マスクをすると誰だか分からなくなるね。基本的に妖しい艶っぽい雰囲気の中、集まっている女性はみんな魅力的。ミロンガが始まる前に軽いステップレッスンがあって、そこで何人かの誰だか分からない方々と踊る。マスクしてるから顔が分からない。
マスクしている女性は、顔以外の部分がよりアピールされるので、更に魅力を増しているのだった。

ミロンガ、結局、始まってからは色々な人と話すに夢中で、全く踊らず。笑
ちょっと素敵な会話のやり取りがあって、ミロンガが終る直前に最後の2曲だけ素敵な女性に踊ってもらった。楽しい。

■いい環境にいる気がする
アルゼンチンタンゴを踊れるようになる環境として、Joeさん、Maikoさんの指導とアドバイスは僕には合っている。レッスンで一緒に踊ってくれる魅力的な女性が沢山いるし、聞いたら女性目線でのアドバイスもくれる。同じ様な時期に習い始めて、技が盛りだくさんの振付デモを踊りきっちゃう男性の仲間もいる。ポールダンス・ベリーダンス・サルサを踊っている知り合いが増えた。3270やら5550の話(!?)が出来る先輩もいるし、雪合戦ビジネスの人もいるし、xxxx万円の楽器を操るクラッシックミュージシャンもいる。妖しいオーラを出してくる方々も数名…。(人のことは言えないが…)
大学生から孫がいる世代の方々まで年代も様々、国籍も様々。

頑張って練習していけば、僕でもアルゼンチンタンゴを踊れる様になって、高級車の乗り心地を目指せる気がしてきた。

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