城南ファンク・グルーヴ・セッションにRalph Rolleを呼ぶイベント開催にこぎ着けるまで

Posted by Richard Category: Blog, Music Life, Musician

第10回 城南ファンク・グルーヴ・セッションは、ゲストにRalph Rolle(ラルフ・ロール、現Chic feat. Nile Rodgersのドラマー、Chicの武道館公演があり来日)を迎えて、素晴らしい内容で終了した。主催者として満足のイベントになったので、まずはイベント開催までの流れをブログに残しておく。

通常は毎月第3水曜日に蒲田Catfish Tokyoで開催中。2017年5月にはTony Maiden(トニー・メイデン、Rufusのギタリスト)がゲスト参加してくれた。今回はRalph Rolleの来日に合わせて日本でのスケジュールを調整している方に声を掛けて頂き、2017年7月からイベント開催に向けて動き出した。

2017年2月に立ち上げた「城南ファンク・グルーヴ・セッション」の考え方は次の通り。
『以下、Facebookページに記載している内容
http://ja-jp.facebook.com/JohnanFunkGrooveSession/

■コンセプト
黒人を中心とした洋楽ファンク曲(ブラックミュージックのファンク曲)をセッションイベントで黒人の出すグルーヴに近づける様に演奏して、それをみんなで楽しんでいく。
城南地区でのファンク活動を盛り上げて、ライブやソウルバーなども含めてファンク活性化を図る。
各パートの方は、単に自由に演奏するのではなくLess Is Moreの考え方をベースにし、隙間を音数で埋める事がない様に、シンプルに、リズム・グルーヴを意識する。

■このセッションの特徴
黒人を中心とした洋楽ファンク曲縛りです。
決め曲セッションです。事前に提示されているセッション曲リストの曲を演奏します。
ホストメンバーも3名が女性なので、女性お一人でも参加しやすいです。
(ソロ合戦、永遠とワンコードで自由に演奏、譜面持込による演奏はしません。)

■セッションの進め方
事前に発表されているセッション曲を演奏します。
当日の参加メンバー状況により、演奏メンバーを変えて同じ曲を複数回演奏します。
その時々によって、参加者の方からよりグルーヴを出していく為のアドバイスを頂く様にしたいと考えています。』

開催に向けて、Ralphが可能な日程に合わせて、会場決め、ホストメンバーの予定調整、集客と収支予測、Ralph側と進行内容を確認・調整、楽器配置検討、貸し出し楽器の手配、告知、などなどやる事が沢山あるのだが、周りの方々のサポートで何とかするのだった。あとはファンクに対する熱意と自分自身の折れないハートで前進あるのみ。

Ralphサイドから打診してもらった時、最低限の調整をしていち早くGo or No-Goを決める必要がある。こういう時はすぐに決めないとダメ。仲間やパートナーと日頃からコミュニケーションしていると、何かコトが起こった時にすぐに動けるので話しは早い。目的は「城南ファンク・グルーヴ・セッションにRalph Rolleに参加してもらって、参加者(見学者も含む)がファンクの演奏やグルーヴを肌で感じる場を提供する」って事。その実現に向けて必要な事を調整・決定・決断していくだけ。

■会場決め
いつもの会場であるCatfish Tokyo、その日は既に予定が入っていて使えない。「城南ファンク・グルーヴ・セッション」なので城南地区でないとダメ。大井町にある老舗シブヤ楽器店のホールはこの企画には最高だがそれなりにコストが掛かる。うーん。でもお昼の時間帯で空いていたので仮押さえ。今回はドラマーがゲストなので「Catfish Tokyoの小さめのドラムセットではRalphがパワフルに叩くには物足りないだろうな」という部分もある。シブヤ楽器で開催できるならPAも付いてくれるので、設備面で文句なし。

■ホストメンバーは予定空けれるのか?
リチャード以外のホストメンバーは引っ張りだこな人達なので、土日祝日の急なスケジュール調整はかなり難しい。今回はホストキーボードの予定が合わない。このセッションではベース・ドラム・ギター辺りの参加者が多くて、ボーカルは少ない。キーボードはもっと少ない。急遽、トラ候補のキーボード3名に打診し2名のスケジュールがOKだったのでお願いした。

「お願いした」の意味は「ギャラも交通費も出ないけど、手弁当で決め曲セッションのホストやって。バッチリ仕込んできてね。お題が20曲もあるけどね。当日は自分のシンセ持って来てもいいよ。持って来るよね?ね?メリットは当日はホストだからチャージ無料、Ralphと一緒に演奏できるよ。」という事。2人から快諾(?)を頂く。良かった。
でも、やはりホストキーボードにも参加して欲しいので、一部の時間だけでも良いから来てもらえる様に調整してもらう。

■集客と収支予測
海外から来日中のプロミュージシャンを呼ぶイベントなのでギャランティが発生する。「遊びに来るかもしれないし、来ないかもしれない…」という場合は話が違うが、イベント自体にその人の名前を出すのであれば、リチャードが個人的に信頼できる人に間に入ってもらってのブッキングが必須。

ライブ会場は、使用する時間分の場所使用料金とPAスタッフなどのコストが発生する。日曜日の開催なので、参加したいかもしれない多くのプレイヤーは自分のバンドのライブやリハ、誰かのライブを見に行く、などの予定が入っている事が多いし、土日祝は家族サービスしてる方も多い。なので、多くの集客は望めない。

城南ファンク・グルーヴ・セッションのチャージは「通常は演奏者も見学者も1,000円+1drink」と決めている。今回の様に特別に海外からのゲストが来るという時は2,000円+1drink。今回のイベントをざっと計算するとxx万円の赤字。ここ数か月分の通常セッションの上がり貯金を全部つぎ込んでもx万円の赤字。
全ての関係者と費用の交渉。←皆さん、ありがとうございます。
それでも最終的に「y万円の赤字。それを負担すればイベントは実現できる」という予測を立てる。ひえー、すごい負担額になるなぁ。

チャージを高くして欲しいという打診もあったが、それはしない方針。Ralph側の立場(こんな価格で間近で観れるアーティストではない)は理解できるので心苦しいのだが、次につなげる為にも、中高生でも参加可能な場にする為にも、会場に集まった人達が楽しめて満足度が高いファンクセッションをする為にも高くてはダメなのだ。広くてよい会場を借りれば、動くスタッフも増えるし必要なコストも上がる。
「城南地区からファンクを発信」するにはお金が掛かるのだ。
そもそもChicのライブに行っても4時間越えのRalphの演奏は見れない。長くても1時間45分くらい。

■Ralph側と進行内容を確認
「城南ファンク・グルーヴ・セッション」は黒人系ファンク縛りの決め曲セッションなので、そこは譲れない。いつもこのセッションで演奏している20曲で進めたい旨をお願いし了承を貰った。コンセプトを大切にしているセッションなので、Ralphサイドから要望される曲を全部却下するという状況になってしまったが、「曲のリストを見てもらえれば思いは通じるはず」と信じて進む。

お題の20曲の半分以上はRalphが知っている曲であろうとは思っていたものの、知らない曲について、忙しいプロミュージシャンンなので事前に音源を送っても聴いている時間はないだろうと判断。イベントの数日前に「分からない曲がある」と連絡を受けて1曲だけ音源を送った。

あとは、当日Ralphに会った時に「城南ファンク・グルーヴ・セッション」の主旨を説明することにした。当日 本人に会ってからの15分が勝負。

■楽器配置検討
Ralph Rolleはドラマー、歌も歌う。現行のChic Feat. Nile Rodgersのドラムでもある。特に検討したのは2点。
1. ドラムセットを一つにするか、2セット用意するか?
ドラマーの参加者も多めなのでドラム2セットを用意にする事も考えた。ファンクは「Less Is More」の考え方があって、リチャードは「音の隙間を音数で埋めない」というのをいつも考えている。このセッションでもそれはコンセプトの一つにしている。ドラム2セットだと、音がガシャガシャしそう。Ralph側に聞いたら「以前、日本でのジャムセッションでドラム2セットでやった事があるが、音がガシャガシャで良い結果にはならなかった」と返事を貰った。この情報もあったので、ドラム1セットで行くことを決めた。

2. Chicの曲はこのセッションで2曲お題にしている。この2曲をRalphと演奏したいギター・ベース参加者は多いはず。ベースは一人づつで仕方ないがChicの曲でギタープレイヤーを複数名 同時にステージに上げるかどうか?上記と同じ理由で、音がガシャガシャするので、これも止めた。こういう事は事前に自分の中で決めておく事で、当日どんなに仲が良い人から頼まれても「ごめん」と断れるのだ。その代わり、Ralph側にお願いして「同じ曲を何度か演奏することがある」と事前に(当日も)伝えておく。

■楽器の手配
セッションなので、演者が入れ替わるのだが、その度にステージセッティングに時間が掛かると勿体無い。相手はプロミュージシャンだし、(誰でもそうだが)拘束時間によってコストが変わるのだ。なので、城南ファンク・グルーヴ・セッションでは大掛かりな機材持込はお断りしている。平日夜開催の場合は、会社帰りに手ぶらで来てくれる人が多いが、今回は日曜昼間。ギター・ベースの人は自分の楽器を持ってくる人が多そう。それでも、シブヤ楽器にギター・ベースを2本づつ用意してもらう。

ドラムセットについては、ハコにあるものを叩いてもらうしかないのだが、細かい指定をRalph側に聞いてしまうとキリが無いので、今回はあえて触れなかった。(このせいで、当日、ちょっと問題が発生したが…)
Ralphは左利きだが右利き用のドラムセットを叩く人。ドラマーの参加者と同じドラムセットを共有できないと困るので、ここはしっかり確認した。

■告知
告知用の画像を作成してもらう。使ってよいRalphの写真を手配依頼してあったが、なかなか来ない。ご本人はChicで海外ツアー中で、城南ファンクどころではない。なので、Ralphのホームページから一時的に拝借した。数週間後に写真が届いたので、それに入れ替えて作り直した。

「城南ファンク・グルーヴ・セッション」の名前で告知するという事は、後戻りは出来ないという事。リチャードが関係者に対して責任を持つ。

「すっごい持ち出しになるのは確実だし、やっぱ止めようか…」な状態で半日くらい悩んで泣きそうになっている時に
「一度やると(関係者に)言ったんだから、やれよ、くぅらぁ!」と優しく(!)背中を押してくれるシブヤ楽器の美人社長。
泣きながら、SNSではFacebookのみで告知となった。

ファンク縛りだし、ファンクカバーして本物に寄せて行くのも目的だし、楽器のソロ回しとかしないセッションだし、決め曲以外は演奏しないし、そもそもお題の曲の音源を持っていないと仕込めないのにYouTubeに無い曲もあるし、興味をそそられない人は仕方が無い。それでも楽しみにしてくれている人、参加してみよっかなっ!とこっそり思ってる人、わざわざ数時間掛けてきてくれる人、観ているだけで楽しいからまた観に行くぜ!という人、ありがたいです。

■イベントの時間割を検討
当日17:00まで会場を使えるが、原則4時間30分の予約。12:00開場、12:30セッション開始、16:30終了、で予定した。城南ファンク・グルーヴ・セッションの通常開催は3時間で、実質3.5時間くらい。今回は会場がいつもより広いのと、ゲストがドラマーなのでサウンドチェックにいつもより時間が掛かる事も予想される。実際は開場前に準備を始めないといけない。

何のパートの誰が来てどの曲にエントリーするのか、どの曲を誰に演奏してもらうか、どういう順番で演奏するか、などなど、全部始まってからその場でバンバン ホストが決めていく。そもそもRalphは沢山演奏してくれるのかも当日にしか分からない。行き当たりばったりだが、それを出来るだけ上手くアレンジするのがホストの務め。

開場前までの準備時間帯と終演時刻だけ何度も話し合って検討。結局、出来る事は全部やろうというシブヤ楽器店の心意気で、ホストメンバーの集合時刻を大幅に前倒しし、終了時刻も何か(?)あった時の為に、デッドラインの見直しが入った。

リチャード個人としては、自分のファンクバンド MUGEN BlastersにTony Maidenが客演してくれた時のサウンドチェックの経験があったにも関わらず、「今回はセッションだから…」という考え方をしてしまいRalph Rolleとのサウンドチェック時間を30分しかみていなかった。(←当日、全然足りなかった)何に時間が掛かったのか?は次のブログで書く。今回のイベントの一つの肝でもある。

■当日頑張るぞ
2日前にホストメンバーに「1曲追加しまーす。お願いっ!」と連絡を入れる。Ralphサイドから推薦された曲を追加した。「イベント開始時にホストメンバーが演奏、Ralphが入場してきて圧倒的なドラムを披露」みたいなシチュエーションを作りたかったのだった。更にもう1曲追加。これはホストボーカルとホストベースのみに依頼。ファンクではなくロックンロールの曲。「R&RとFunkのドラムパターン、こんな違いがあるよ」というデモンストレーションの為に用意した。この曲をRalphが出来る事は知っていたので本人には当日伝える事にする。

さぁ、あとはセッションイベント当日に頑張るのみ。

<関連ブログはこちら>
城南ファンク・グルーヴ・セッションにRalph Rolleを呼ぶ 当日の準備
http://www.mugenblasters.com/2017/09/28/johnanfunkgrooveralphrolle-2/

<城南ファンク・グルーヴ・セッション Facebook Page>
http://ja-jp.facebook.com/JohnanFunkGrooveSession/

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