Tony Maiden来日。2017年


2017年4月28日、Tony Maiden(トニー・メイデン)が来日した。
最初はBillboard LiveであるJudith Hillのサポートメンバーで来日する予定だったのだが、マネージメントの問題で彼の参加がキャンセルされてしまった。で、日本のマネージャンさんが頑張って単独での来日を実現してくれたのだった。感謝!

来日1発目のギグは、2018/4/30(日) 元住吉パワーズ2で下記のメンバーだった。
トニー・メイデン(Vocal, Guitar)
タケウチカズタケ(Keyboard)
森俊之(Keyboard)
ナスノミツル(Bass)
沼澤尚(Drums)

開場前にパワーズ2の前で並んで待っていると、中からリハーサルの音が聴こえてきた。…というかガラス張りなので、窓にくっつくと中の様子が丸見え。Tonyがギター弾いてる!トーキングモジュレーターの音も聴こえる。重いのにトーキングモジュレーターも日本に持ち込んだのだろうか?

ガラス越しのTony Maiden

ガラス張りの扉にへばりついて覗いていると、Michikoさん(Tonyのマネージャー)がリチャードに気づいて「おいでおいで」してくれたので、開場前だが中に入れてもらった。


早速、Tonyにご挨拶。少し話した後、買ったばかりのNashのストラトキャスターを持ってきた事を教えてくれて、そのギターの話に。エフェクターも全部 自前の物を日本に持ち込んだとの事。「Hailのトーキングモジュレーターを重いのに持ってきた。でもAB-Boxが上手く作動せず、常にLine AとLine Bの両方から音が出てしまう」というトラブルが発生していた。
「どんな具合なのかちょっと見せて」と言ったら、サウンドチェックは終わっていたのだがTonyが再びステージに上がって、Nashのシルバー色ヘビーレリックのストラトを抱えてギターを弾き始める。このWhirlwind Selector A/B BoxはAB切り替えとBothの2つのフットスイッチがあるタイプ。多分、壊れてるな。
それ以外のエフェクターはCry BabyとBoss SY-300 Guitar Synthsizerのみ。SY-300は主にオクターバーやハーモナイザー機能が気に入っている様子。

AB-BOXがすぐに直らないのは諦めて、そのままTonyがギターを弾きながらSY-300に自分で設定した音色を紹介してくれた。Sweet Thingを弾きながら歌い始めると、スマホを持った沼澤氏が駆け寄ってきて「生Sweet Thingを動画で撮りたいからもう一度弾いて?」とリクエスト。Tonyがエンディングのコード進行を弾きながら歌う。

その時の様子を呟いた沼澤さんのTweetはこちら。右端にリチャード映ってしまい申し訳ない。
https://twitter.com/apurkeneg/status/858701715436052480
むむむ、Tonyは謎のVoicingを連発。その押さえ方は指の長さが足りなくてリチャードには無理だぁ。

開場時間になり、無事に最前列席をゲットして周りを見回すと、なぜか女性客が多い。これは沼澤尚効果なのか?凄いな。
間に休憩を挟んでメドレー入れて12曲、アンコール2曲。合計演奏時間2時間くらいの熱いパフォーマンスだ。1曲目からスタンディング。
Rufus、Michael Jackson, James Brown, Sly & The Family Stone, Jimi Hendrix、B.B. King, Dennis Edwardsに混じえてTonyが作ったばかりの新曲も披露。全体的にはRockに寄ったパワフルな演奏。

1st Set
1. Wanna Be Starting Something
Everybody Party Hearty
Funky Good Time
2. Rock Stepping
3. Maybe Your Baby
4. The Thrill Is Gone
5. Foxy Lady

2nd set
6. Loving Is More
7. Don’t Look Any Further
8. Your Smile
9. You Got The Love
10. You Haven’t Done Nothing

Encore
11. Dance To The Music
12. Thank You

もちろん途中には「これぞトニー・メイデンっ!」という指弾きの超ファンクなリズムギターが炸裂っ!なぞの運指が炸裂っ!後半にも「本物のファンクを見てくれ!」と話してからリズムギターが炸裂っ!
弾きながら、歌いながら、動きながら(Tonyは結構いろいろ動きながら弾く)のパフォーマンスで、見た目にもカッコいい。
1曲目始まってすぐに女性のオーディエンス達がステージ前方に来て踊りまくって、こちらもカッコいいのだが、彼女達はTony Maidenを知らない様子。曲が終るごとに「何?この人?すげー!」とか「ヤバイね、この人!」とか声が聞こえてきて嬉しい。そうそう、凄いんだよ、この人は。レジェンドなのだよ。

沼澤尚の演奏を生で見るのは数十年ぶり、13catsの最初のライブを六本木ピットインで観たな。さすがの演奏だし、Tonyが変えていく状況にバッチリ反応して付いていってた。スネアの位置も音も気持ちいい。パワフルだし、何より楽しんでる感が満面の笑顔から伝わってくる。ほんと、流石だなと思った。
キーボードソロが欲しい時、Tonyは森俊之にソロを振る。B3サウンドがイイ音してる。
ナスノミツルのベース、1stセットの2曲目で、なんと4弦が切れたっ!そのまま1stセットをやり切るところは流石です。2ndセットになったら1弦から4弦までピッカピカの新しい弦に張り替えられていた。,
今回のサポートで特に感銘を受けたのはタケウチカズタケのシンセワーク。バンドの屋台骨を支える演奏で、Tonyの様子を伺いながら「ふわぁぁぁ~」っとイイ感じの音色をぶち込んでくる。彼が居たからTonyが自由に動き回れるサウンドになっていた。それでいて弾き方はハデ(笑)。こういう人の演奏に触れると嬉しくなってしまう。
このメンバーで5/8(月)に目黒ブルースアレイでライブがある。更にまとまったパフォーマンスになるはず。必見。

ライブ終了後、Tonyがお客さん達と写真撮ったり歓談したりしているのを待って、最後に30分くらい二人で話した。

・今回も日本に来れて本当に嬉しく思っている事。
・新曲を書き溜めていて、レコーディングもしているがMix Downや曲の最終化が終っていない事。
・今回持ってきたNorman’s Rare Guitarsで買ったNashのストラトがとても気に入っていて、「ずっと使っていたMoonのテレキャスターにBye Byeを言ったら、彼女がすねてるんだ」という話し。

「Norman’s Rare Guitarsで試し弾きしたNashのTelecasterの方は、デイル?のギタリストが買ったんだよ」と言っていたのだが、リチャードには誰のことなのか分からなかった。
Nash Stratocaster試奏の時の様子。 https://youtu.be/MCykMbY-Pj8
Nash Telecaster試奏の時の様子。 https://youtu.be/MJlM1FnL68s
・日本のみライブ会場のみで販売したRufusのライブCDについて、たまに欧米のRufusファンからリチャードに問い合わせが来る事。欲しいと思っている人が居るんだよね。
・Miles Davisからツアーに誘われたが、Lionel Richieとのツアー中で実現しなかった事。
・Princeがなくなる前にPrinceから連絡が来てPaisley Parkに会いに行った話し。
Princeとのコラボ前に彼が亡くなってしまって残念。
「PrinceとChaka Khan、PrinceとMiles Davis、PrinceとLarry Grahamなど、僕らは共演したのを知っているよ。PrinceとTony Maidenが実現していたら、Tony自身のことを更に多くの人達に知ってもらえたよね?」と聞いたら
「それはいいんだよ。」
とさらっと答えてくれた。「20年くらい前にLAでPrince・Sheila-Eと共演したしね。」と言っていた。

リチャードはPaisley Parkに行った事がないので実際に見たことがないのだが、Park内の壁にPrinceの絵があるらしい。非公式だが “Influence Wall”と呼ばれている。中央にPrinceが描かれており、その左側には彼が創ったアーティスト達が描かれている。TimeとかSheila-Eなど。Princeの右側には彼に影響を与えたアーティストが描かれている。Prince自身が名前のリストを画家に渡し、画家がイメージを探して描いた。そこにはJimi Hendrix、Larry Graham、Chaka Khan、Miles Davisなど、そしてTony Maiden。

その壁についての記事
The Story Behind Prince’s Influence Wall
https://www.linkedin.com/pulse/story-behind-princes-influence-wall-sam-jennings

Tony Maiden、MUGEN Blastersのライブにゲスト出演してくれます。
2011年に錦糸町の野外ステージで実現する予定だったのだが、震災でイベントが中止に。
それ以来、やっと実現までこぎつけた。
観に来て!

2017/05/07(日) MUGEN Blasters Live @ Space 428 シブヤ楽器 大井町
Guest Tony Maiden from RUFUS
17:00 Open
17:30 MUGEN Blasters
(ライブ後半にTony Maidenが登場し、数曲一緒にパフォーマンスします。)
Charge 2,000 + 1drink 500
https://www.mugenblasters.com/live-information/20170507-live/

Tony Maiden(トニー・メイデン)
Chaka Khan(シャカ・カーン)がいた事でも有名なバンド Rufus(ルーファス)のシンガー&ギタリスト。現在もRufusや他のバンドで現役活動中。メインボーカルも素晴らしいが、彼のギタープレイからはファンクが溢れ出す。指弾きも得意で独特なサウンド。ファンクギターファンであれば、彼を間近で観れる機会があったら絶対に見逃してはいけない。近年では次々に夢のような特別なライブ企画を実現させている。

Tony Maiden 近年の来日公演
2008年11月は、「Rufus featuring Brian Culbertson & Maysa Leak」で来日。ボーカル陣で日本での知名度はMaysaだが一緒に連れてきたVal Young(Vo)やMadam Dee(Vo)が素晴らしかった。
2010年1月、「Rufus Featuring Sly Stone: Aura Of Funk」として、なんとスライ・ストーンをゲストに従えて来日公演。神 スライに触れた!
2011年6月、「RUFUS featuring AMANDA MAIDEN, INDIRA MILINI KHAN & PHUNNE ROBINSON STONE “The Daughters of Funk”」を率いて来日。トニー、シャカ、スライの娘達をボーカル陣にしたSpecialなライブ。
2012年9月には、「Rufus featuring Tony Maiden, Al McKay, Ray Parker Jr., Leo Nocentelli ~Guitar Funk Explosion~」を率いて来日公演。ファンクギター好きには溜まらない夢の組み合わせ。これは海外でも実現していない。
2014年11月、Head HuntersのウルトラグルーヴBassist Paul Jacksonと若手ドラマー平陸とともに静岡県でライブ。
2016年1月、若手ドラマー平陸とのライブを静岡県や神奈川県で公演。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 Required fields are marked *.

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>